仏教では、人はその置かれた環境や、取り巻く人の縁によって心が育まれ、成長すると説きます。
それは生きている人との出会いや触れ合いの場面に限らず、ゆかりある人の死やその方への追悼の場面もまた、人に亡き人との関係や、置かれていた環境、その人との縁のあり方、亡き人から受けた愛情の大きさや大切さに、気付かされる可能性を持つのです。
しかしどんな花の種も、水もなく光も射さない場所では芽吹くことはありません。人が人から愛情を受け継いでいても、ただそれを野放しにしていれば、愛情も育つことなく枯れてしまうかも知れません。
亡き人への感謝や、受け継いだ愛情を、さらに他の誰かのために生かす事もまた、亡き人の喜んでくれるであろう「ご供養」となるのではないでしょうか。
この考えから、天徳寺では、天徳寺・樹木葬契約者・天徳寺檀家・住職関係者からの寄付を元に「天徳寺慈しみ基金」を作り、故人への追善供養として、国内外の困っている子どもたちの支援や国内外で荒れる森林の保護等に協力しております。
2024年
2月
05日
月
ケワリ村の天徳寺運営の塾に通っている子供達は23人になりました。
1人の生徒をインタビューしてくれました。
名前はニーシャ・クマリ(11歳)、父、母、娘3人、息子2人の7人家族です。
彼女の家庭はとても貧しいです。父親は畑仕事をしています。
また建築現場の作業員でもあり、時々レンガやセメントを運んで収入を得ています。それでも毎日2回の食事を買うお金もなく、毎日の食事のために苦労しているそうです。家には風呂もトイレもないので、外に行くそうです。
ラフールナガル校でも順調に塾が行われています。百瀬さんが現地を視察した際には礼儀正しく元気に挨拶してくれたそうです。
足に腫瘍があり、切断を余儀なくされたドルティーさんがようやく足の腫瘍摘出の手術を受けることが出来ました。寄付を募ってから、ちょうどコロナの時期と重なり、移動の制限や、インドの病院がパニックを起こして診察を受けることが困難になり、なんと5年の歳月が経ってしまいました。その間彼女は寄贈したミシンを使ってブラウスなどが縫えるまで縫製技術を向上させました。現地のアヌープさんもその間色々と動いて頂き、海外のNPOとの協力の元、ようやく手術に至りました。現在は義足をつけるための手術の準備とリハビリをしているそうです。天徳寺慈しみ基金からは日本製の車椅子を夏に寄贈させて頂きました。塗装していない道も多いので、オフロード用のタイヤがついた車椅子にしました。ドルティーさんは松葉杖しかもっていなかったので、これで移動の自由が増えてくれるでしょう。現地の粘り強い支援の模索に感謝すると共に、皆様のご支援に改めて感謝申し上げます。