天徳寺慈しみ基金

天徳寺樹木葬 天徳寺慈しみ基金

仏教では、人はその置かれた環境や、取り巻く人の縁によって心が育まれ、成長すると説きます。

 

それは生きている人との出会いや触れ合いの場面に限らず、ゆかりある人の死やその方への追悼の場面もまた、人に亡き人との関係や、置かれていた環境、その人との縁のあり方、亡き人から受けた愛情の大きさや大切さに、気付かされる可能性を持つのです。

 

しかしどんな花の種も、水もなく光も射さない場所では芽吹くことはありません。人が人から愛情を受け継いでいても、ただそれを野放しにしていれば、愛情も育つことなく枯れてしまうかも知れません。

 

亡き人への感謝や、受け継いだ愛情を、さらに他の誰かのために生かす事もまた、亡き人の喜んでくれるであろう「ご供養」となるのではないでしょうか。

 

この考えから、天徳寺では、天徳寺・樹木葬契約者・天徳寺檀家・住職関係者からの寄付を元に「天徳寺慈しみ基金」を作り、故人への追善供養として、国内外の困っている子どもたちの支援や国内外で荒れる森林の保護等に協力しております。

南三陸町(2011年4月)
南三陸町(2013年8月)

2018年

12月

23日

平成30年度下半期 天徳寺慈しみ基金活動報告

住職とレスキューファンデーションのスタッフ
住職とレスキューファンデーションのスタッフ

12月に住職がインドを訪問し、事業地の視察、新たな支援事業を検討してきました。

人身売買から少女を救う事業

  天徳寺では、インドの各都市の売春宿から人身売買された少女を救出して、村へ帰す活動をしているレスキューファンデーションという団体への資金協力と事業協力をして、3年を経ましたが、あいかわらず、救出する少女の数は多く、年間300人近くに及びます。

 今回、新しくデリーでも救出した子どもを収容してリハビリ等を行うセンターが完成したため、その様子を見てきました。このセンターは4階建て、100人の少女を滞在させることが出来ます。すべてドイツで設計事務所を営んでいる方とその友人たち10人のグループが資2000万円を用意し、グループの中のひとりが一年間現場監督となって駐在して建てたセンターです。この行動力には頭が下がります。

 私が訪問した時には、すでに建物は完成し、縫製室、パソコン室、保健室、食堂、宿泊室、トレーニング室、カウンセリング室が揃い、すぐにでも100人の少女を受け入れる体制となっていました。スタッフは15人で、売春宿での人身売買の覆面調査、警察と連携した救出、センターでの保護、売春宿のオーナーを人身売買の罪で裁くための裁判、少女の出身村への返還等を分担して行う体制も整えましたが、インドでは役所が書類を回すスピードが遅く、認可が下りるには時間がかかっています。

 それ故に、今年、デリーでは45人の少女を救出しましたが、まだ新しいセンターには入れず、41人は政府の作る保護施設に預け、4人だけは政府に大目に見てもらい、現在センターに収容しています。4人のうち3人はネパールから連れてこられた少女です。デリーはネパールに近く、それ故にネパールの少女が救出者の半数をしめるそうです。

新しく出来たセンター
新しく出来たセンター
センター内の様子
センター内の様子
センター内の様子2

救出された少女達
救出された少女達

 私が訪問した当日、この4人の少女に会い、祭りで売るための花飾りをスタッフの指導を受けながら作っている最中でした。1年後に村に帰れたら、この花飾りを売る仕事で家族の生活の足しにしたいと言ってくれました。

 天徳寺慈しみ基金ではこの団体に毎年、支援金を100万円ほど渡して、救出された少女を育った村に帰して、村での生活が平穏になるためのサポート費用に充ててもらっていますが、デリーで新しく始まるセンター活動にもかかわっていこうと考えています。

インド困窮農村児童支援事業

 お釈迦様がその下で悟りを開かれた菩提樹がある聖地ブッタガヤ郊外の農村(ラフールナガール)を6年近く支援してきましたが、今回はこの村で小学校の放課後に無料の塾を開くため、調査してきました。

 

 2年前まで4年間にわたり村の小学校に教材や黒板や床に敷くマットや井戸を提供すると共に、年数回の日本人による特別授業などを行い、また奨学金を提供してきましたが、3人いる先生自体が出勤してこないことが多く、また、教え方も、教育への熱意を高めることも難しく、学校を支える支援方法を中止しました。


 インドの農村での公立の教育はどこも同じらしく、教育の大切さを知り、お金のある家庭は、子供を私立の小学校に入れます。そのためお金持ちの子どもは高学歴で大きな会社に勤める事ができ、貧しい農村の子どもは、中学校まで出るのが関の山で、収入の良い仕事に就く道が閉ざされています。


 今回は、今までの経験から、やはり村の子どもに質の良い教育を提供するためには、公立の先生に期待するのではなく、自前で良き先生を探して、放課後教室を運営することを目指すことにしました。その方法を取ることが可能になったのは、今年3月にラフールナガール村から歩いて40分程度の村(スジャータ)で10年前から30人程度の子どもに青空教室を開いて勉強を教え、現在は日本人の妻(夕子さん)と共に65人の小学生の私立学校を運営しているアヌプさんに出会ったからです。この夫婦は教育に意欲がある先生4人を雇用しています。

ラフールナガール村の子供達
ラフールナガール村の子供達
ラフールナガール村の子供達3
放課後教室をする予定の村の公民館
放課後教室をする予定の村の公民館

今回、この小学校の向いにある民宿に5日ほど宿泊して、何度か授業を見学し、また先生たちともいろいろと話をしましたが、ラフールナガールの公立小学校の先生とは、教育への熱意と子供が授業を理解できる教え方において格段の違いを感じました。そのため、この私立小学校の先生を放課後にラフールナガール村に派遣してもらい、村の公民館を利用して教室を開くことにを考えました。その教室の運営が適切に進むようにアズプさんと夕子さん夫妻にお願いしました。来年4月開講を目指して準備に取りかかります。

ミシンプロジェクト

自宅でミシンをかける少女
自宅でミシンをかける少女

 昨年まで行ってきた2年間のミシンのトレーニングの結果を調べるために、ミシンを提供した少女の家庭を数件訪問しました。一番心配したのはミシンを売ってしまうことでしたが、そのようなことはありませんでした。どの少女も家族、親族の為に服を作っています。中には、近隣の人に服を作り、お金をもらうこともあるそうです。数個の鍋釜と、洋服があるだけの粗末な土壁の小さな家にミシンが置かれ、それを唯一駆使できる少女に家族も一目置くようになったそうです。

村の女性で制服作りをしました
村の女性で制服作りをしました

 今後は収入に通じるミシンの仕事を得ることが課題となります。まだ縫製の技術は未熟でしょうから、私の知り合いの寺からエコバックの注文でも取れないものかと考えているところです。
 

なお、上記のアズプさんと夕子さん夫妻の運営する私立小学校で制服を子どもに配布したいとの希望がありましたので、ミシン教室で縫製が上手な3人の生徒に縫製の先生の指導のもと、制服の製作をしました。65着の制服をなんとか完成させ、5月には子どもに配布できました。3人の少女にはすごく良い経験になりました。

マンゴーの苗木プロジェクト

マンゴーの苗木が大きくなりました
マンゴーの苗木が大きくなりました

 今年の3月に100人にマンゴーの苗木を配布しました。その行く末をすべて見る事はできませんでしたが、配布用のマンゴーの苗木の栽培をしてくれた女性に聞き取りすると、30本ぐらいが育ち、残りの70本は水不足と牛やヤギに食べられたということです。しかし30本も苗木を大切にしてくれているという事は、インドにおいては成功だと現地の人が言っていました。もう6年前から毎年20本程度のマンゴーの苗木を配布し、そのたびに多くのマンゴ-の苗木が枯れた状態を目にしてきましたが、ようやく村の中でマンゴの苗木への関心が出てきたのかもしれません。 なお、ドライマンゴーを今年の夏に試作してもらいましたが、インドではマンゴーが実る季節は雨期で、太陽が隠れる日が多く、難しいことが分かり断念しました。もし作れれば、日本でも売れると思いましたが、現地の市場に生のままで売る道となりそうです。

児童養護施設「子山ホーム」支援事業

今年のバザーの様子
今年のバザーの様子

 今年は10月6日(土曜日)にいすみ市にある児童養護施設「子山ホーム」のバザーがいすみ市の公共施設で行われました。今回はあまりバザー品が集まらなかったようで、皆様から頂いたバザー用品の多さに大変喜んでいただけました。一年間にわたり、皆様にお持ちただいたバザー品が貯まった成果です。収益は317,556円となりました。なお、バザーに際し、天徳寺に現金での寄付を数人から頂きましたが、それはそっくりバザー当日に募金箱に入れさせていただきました。
 

この場をお借りしまして皆様に御礼申し上げます。と同時に来年の為にも、お越しの際には、少量で構いませんから、バザー品をお持ちいただけるようお願い申し上げます。

手術が必要な女の子の支援活動を始めました。

ディヴァンティ・クマリちゃん
ディヴァンティ・クマリちゃん

 前回の報告で、手術が必要な女の子のことを書きましたが、手術費用が最低で200万円かかるとのこと。それゆえに手術費用を集めているプレマメッタスクール(アズプさんと夕子さん夫妻の運営する私立小学校)ではその額を工面するのは不可能だそうです。そんな話を聞きながら、彼女の家を訪問しました。6か月前より痩せた姿でした。お腹に腫瘍があり、食事をすると、そこから足に栄養分が溜まって足が腫れ続けていると説明されました。次第に食欲が落ちて、徐々に痩せていく姿に両親も娘の死を意識し始めています。
 プレマメッタスクールの生徒、ディヴァンティ・クマリちゃん(16歳)。幼少の頃に腹部と足に腫瘍ができました。腫瘍により足が大きく腫れてきましたが、彼女は毎日歩いて学校に通っていました。しかし10歳の時には歩くのも困難となり、いつも笑顔のディヴァンティちゃんを応援したいと、手で漕げる三輪車が寄贈され、家から学校までの舗装されていないガタガタ道を友達と一緒に通学していたそうです。彼女の家は最も低いとされるカーストに属していますが、非常に明るく勤勉な女の子です。約4年前に支援を受けて足の切断だけしましたが、現在は腹部の腫瘍が悪化し、切断した足も大きく腫れてきています。動くことができず笑顔も減ってしまいました。私もどうにかならないものかと考え、とにかく都会の大病院で検査を受けさせ、手術の可能性と手術費用などについて調べるようプレマメッタスクールの運営者である夫婦に依頼しました。もしかしたらインドでも高度な手術になるかもしれませんし、日本で手術しなくてはいけないような難易度の高い手術かもしれません。費用も高額になる可能性もあります。それゆえに、テレビ局で支援してもらえないか、日本の大きな団体で支援してもらえないかどうか、当たってみようと考えています。 皆様のお知り合いにテレビ局関係者などおられましたら、ご紹介をお願い致します。

 

天徳寺慈しみ基金 活動報告

(2004年~現在までの活動報告をご覧いただけます)