南三陸町支援報告 VII(2011年10月8日~9日)

2011年10月8日~9日におこなった宮城県南三陸町への支援活動についてご報告いたします。
大震災よりすでに7カ月が経ちましたが、がれきがうずたかく積まれているだけで、被災地の復興はまだまだです。この地区は近海の漁、かきやわかめの養殖・加工、観光が主な産業ですから、港と漁師船がそろわないと町の復興が始まらないのですが、港は震災のままですし、漁船もまばらです。現在、漁師や加工所の仕事をされていた方の収入源は、がれきの撤去作業の日雇いです。スーパー等もまだなく、コンビニだけが、がれきの間に店舗をポツンと構えていました。

遠くに見える丘のようなものががれきの山です。 
遠くに見える丘のようなものががれきの山です。 
コンビニが被災地にポツリ。
コンビニが被災地にポツリ。


南三陸町では小学校等に避難していた方はほぼ仮設住宅に移られました。南三陸町の仮設住宅団地は53か所あり、それぞれに10~250戸の仮設住宅が建設されています。天徳寺ではこの中から戸数の多い地区3か所を選びました。平成の森(246戸)、戸倉中学校(67戸)、志津川自然の森(81戸)です。支援内容としては6月に寺でのチャリティーバザー用に頂いた物資の残りと、先日お願いしましたバザー品、また、新たに購入した洗濯洗剤・台所洗剤・サランラップ等、子ども用に購入した駄菓子・おもちゃ等を配布いたしました。なお、子どもの娯楽におもちゃの魚すくい遊びを用意しました。

絵本の配布
絵本の配布
おもちゃの金魚すくい
おもちゃの金魚すくい

まず最初に訪問したのは平成の森です。寺からは2人で現地に向かいましたので、当日、仮設住宅の方にお手伝いして頂いて、トラックから段ボールをおろし並べ、拡声器でバザー品の無料配布の案内をしました。土曜日でしたので、若い方は仕事で留守でしたが、写真でご覧の通り、ご高齢の方が多くみうけられました。

配布は一人5品に限って配布しましたが、30分もたたない時間でバザー品のほぼ全てがなくなりました。仮設の自治会長にお話しを伺うと、収入がなく、なるべく消耗品以外は買い控えしているので、このような日用品のバザーは非常にありがたいとのこと。また、このようなバザー品の配布等はないとのことです。
なお衣料品の配布等は、たまに町の公会堂で行われているそうです。当日も洋服のデパートを展開しているパルコが、公会堂を借りて、新品の衣料品の配布を行っていましたが、若者向けの服が中心でもあり、ご高齢の方はそこまで行く気力がないとのことでした。

午後には戸倉中学校(67戸)と志津川自然の森(81戸)を訪問して同様の方法でバザー品を配布しました。やはりどちらでも品物はすぐになくなりました。町ではすでに避難所が閉鎖されているので、支援物資の受け付けはおりません。自治会長さんは「もらうのが当たり前と町民が支援慣れしては困るのですが、雇用がない現在、被災者支援金の蓄えと年金だけですから、自治体がもう少しの期間、仮設に入居している住民への物資支援をしてくれたら助かるのに」とおっしゃっていました。

なお、皆さまから頂いた支援物資はすべて配布させていただきました、また、レンタカーや高速道路料金、ガソリン代、物資購入費、通信費、仕分け梱包費等は今回頂いた支援金を利用させていただきました。残金は今後の天徳寺慈しみ基金の活動費として大切に活用させていただきます。

なお、今回の会計は23年度会計報告の中で開示させていただきます。

天徳寺住職 二神成尊 合掌