令和3年上半期 天徳寺慈しみ基金活動報告

インド支援事業

食料支援の様子

ラフールナガールの塾の運営について

コロナウイルスがインドで猛威を振るっています。そのためインドではロックダウンの状態が長く続いており、天徳寺慈しみ基金が支援しているラフールナガール村でも、天徳寺の運営する塾は3月~6月まで閉校の状態でした。そのため、子供たちには自宅での自習用のテキストを配布していました。しかし、自宅は薄暗く、昼間でも勉強する環境ではなく、また、外で勉強しようにも家事や農作業の手伝いのため、なかなか難しかったようです。やっと再開出来てほっとしています。

 

 今年に入って2回、生徒の家庭に食料を配布しました。町での日雇い労働が減っているため、生徒の家庭でも現金収入が減っており、食糧支援はありがたがられています。こちらとしても、家族に生徒を塾に通わせる利点を示すことで、子供が気持ちよく塾通いができるようにすることができます。

アヌープ夫妻が経営するゲストルームの一部を使って日本語学校の準備も進めています。

ロックダウンの最中でも試行錯誤をしながら活動を進めています。

 

就労支援について

 ラフールナガール村のような特に貧しく、またカースト制度の最下位に置かれた地域では、多くの家庭は経済面で子供を中学以上の教育を受けさせることに消極的です。そのような状況を打開するために、天徳寺の現地協力団体であるプリマメッタスクール(近くの農村で無料の小学校を運営)が、現地の青年を日本で就労させる支援活動を始めました。プリマメッタスクールを卒業して18歳になった子供に日本語教育をして、インドの教育支援活動に理解のある日本の企業各社で研修生として採用してもらうというプロジェクトです。すでに法的な申請も終わり、受け入れしてもらう日本での企業も決まりました。そして3年程度の日本での就労が終われば、今度は村で興した企業で就労出来るという夢のような話です。天徳寺でもそのチャレンジに協力し、天徳寺塾で学び、高校まで卒業した子供たちにその道を開くこととなりま

 なお、近くの同じような貧しい村で私立の女子中学高校が来年には始まります。その運営者はプリマメッタスクールの経営者であるアヌープさんです。ラフールナガールの塾の面倒も見ていただいています。アヌープさんは、天徳寺の塾があるラフールナガール村とかかわるようになり、貧困農村での女子教育の現状を目にして、そのような地区に私立の女子中学高校を建てることにしたそうです。ラフールナガール村のようなカーストの低い立場の村の出身者は公立の中学に入ってもなじめず、ほとんどの女子は卒業まで通うことをやめてしまうのが現状でしたので、就学の一筋の光になればと期待しています。

 天徳寺では現在、小学生を対象とした塾を運営していますが、今後は中学、高校生も対象とした塾を運営する計画です。